電脳お稽古日記

このホームページは、公募ガイド10月号(9月9日発売)P274「電脳お稽古日記」との連動企画です。

第七回 読書の秋1 本は文庫本と図書館で


■○月×日■

 最近は本に関する情報のほとんどをインターネットのホームページや、読書系のメールマガジンから仕入れている。一時期毎月買っていた書評誌も立ち読みですますようになったし、本屋のレジカウンターの隅に置いてあるタダでもらえる小冊子(『これから出る本』や新潮社の『波』、講談社の『IN★POCKET』みたいなやつだ)もむやみやたらとかき集めなくなった。おかげでいろんな意味で経済的だ。

 読書系のメールマガジンでは、PHP研究所のホームページが発行している『本の流行情報・BOOK chase!』がとくにお役立ち(もちろん無料だ)。ベストセラーランキングから、これから出る注目の新刊、サイン会情報まで網羅してくれているので、このマガジン一誌でもう書評誌は他にいらない。

 個人で発行しているフリーのメールマガジンでは、ほぼ毎日一冊のペースで書評を届けてくれる『Webook of the Day』なんていうのがまたすごい。このメールマガジンの管理人である真之助さんは、プロのレビュアーではなく普通の会社勤めをされている方らしく、ビジネス書や学術書が主の読書傾向はあまりピンとこない場合も多いのだけれど、現代の日本のサラリーマンが普段どんな本を読んでいるのだろう?という好奇心を満たしてくれてなかなか楽しいのだ。

■○月×日■

 さらに、最新の本に関する話題を集めたり、感想を語りあうのには読書系のML(メーリングリスト)も欠かせない場のひとつだったりもする。

 作家別、ジャンル別に分かれているMLも多いけれど(『月刊ML紹介』などで探してみるといろいろ見つかる)、読書系のメーリングリストでいま一番活発なのは、ずばり松下晃久さんという大学生の方が主催されている『本のメーリングリスト・Book-ML』だろう。参加者の顔ぶれも、主婦、学生、会社員とさまざまで、ジャンルもSFからミステリー、ノンフィクション、児童文学と幅広く、常に複数の本についての話題が飛び交う。

 また、こういったMLに参加して多数の方々の投稿を読んでいると、個性的な発言をしている人物に対する興味が自然とわいてきたりもする。この『Book-ML』の参加者のなかでとりわけ私が気になったのは、SFやミステリーについてかなり辛口の投稿をされている会社員の方と、川島誠や寮美千子といった児童文学の範疇におさまらない作品を書いている《児童文学作家》について熱く語っている平野まどかさんのふたりだ。

 平野さんは、発言の前に必ず「平野まどか@『青春デンデケデケデケ』私家版です」とか「平野まどか@小松由加子『図書館戦隊ビブリオン』(笑)です」と、読書中の本を表明するのだけれどこれがユニーク。「買った本は読まないので(図書館で借りて)読んだ本だけ買おう」という平野さんの決意?が記してあるメールのシグネチャ(署名)には、彼女のホームページ『ねころがーる』のURL(アドレス)も添えられている。

 アクセスしてみたホームページの自己紹介によると、やはりというか平野さんは大学で図書館学を専攻していた方らしい。本の検索情報などの他に、図書館メーリングリスト『らいぶら-ML』への参加ページもあったので、司書教諭資格を持つ私も図書館ユーザーのひとりとして参加申込をさせてもらうことにした。

●ねころがーる

猫のイラストでデザインされた平野まどかさんのページには、川島誠私設ファンクラブもある。

ねころがーる

■○月×日■

 ところで「買った本は読まないので、読んだ本だけ買おう」という平野さんの姿勢とは逆に、世のなかには、読んでも読まなくも本は手元に置きたいという方も当然いるわけで、そういった情熱に支えられているホームページのひとつに『文庫本大好き岩波文庫コレクション』というのがある。

 このホームページの主催者の方は中年の男性で、職業は、日記の記述などから察するに、どうやら編集者のようだ。「文庫本コレクション」のコラムからも、岩波文庫を音楽や自然科学で分類したり、また未完結本、蔵書目録というものにこだわったりと、分類整理が好きなタイプらしいと想像ができる。また、ページデザインの方も岩波文庫の装幀を元に茶系とグリーンですっきりまとめられていて(画像を転載するならこのページ、と担当者のH氏のイチオシだった)そのまま雑誌の増刊号や本にしてもいいのでは?と思わせる完成度の高さだ。さらに、文庫本関係のお薦めリンクが充実しているのも見逃せなかったりする。

 実のところこういったインターネットの読書系のページには、面白いものやユニークなものが非常に多いのだ。で、唐突だけど次回の日記でも引き続き、書評を集めたページや、作家のファンクラブページについて書かせてもらうつもり。というわけで勝手につづく。

文庫本大好き

●文庫本大好き岩波文庫コレクション

「文庫本コレクション」のコラムでは、岩波文庫だけでなくサンリオSF文庫などについても言及されている。

第五回第六回/第七回

■日記のインデックス■

プロフィール

高木芙羽(たかぎふう)
1967年神奈川県生まれ、成蹊大学文学部卒。1995年、第14回海燕新人文学賞を「インスタントカルマ」にて受賞。
●高木芙羽のホームページ Fast Foods!
●最新の日記 泡沫言語

このコーナーでは、皆さんのおすすめのホームページを募集します。推薦理由とアドレスを書いてこちらまで。
採用者には記念品を贈呈いたします。